2月6日(土)に、いろいろなご縁があり、国内の蒸留所としては新しいけれど、世界的に評価が高い「株式会社ベンチャーウイスキー」様の工場、いわゆる「秩父蒸留所」を見学させていただきました。
ベンチャーウイスキーといえば、創業者「肥土伊知郎」(あくといちろう)氏の名前を冠した「Ichiro’s Malt」(イチローズ モルト)というブランドのウイスキーを生産しており、このウイスキーは世界的に有名で、種類によっては7年待ちとも10年待ちとも言われるほど入手困難なボトルもあります。
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→ ウィキペディア「ベンチャーウイスキー」
→ ウイスキーマガジン「秩父蒸留所」
→ ウィキペディア「肥土伊知郎」
現在でも稼働しているウイスキーの蒸留所は、日本国内に7か所あり、ベンチャーウイスキーの「秩父蒸留所」はその中で一番新しい蒸留所で2007年に建設されたそうです。
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→ ウイスキーマガジン「蒸留所情報」
ベンチャーウイスキーの創業者であり、現在の社長である「肥土伊知郎」氏は、今は2000年に蒸留を停止し、2004年に閉鎖された羽生蒸留所を所有していた東亜酒造の創業者の直系の孫にあたる人物で、羽生蒸留所が閉鎖された際に破棄されそうになったウイスキーの原酒を自分で引き取り、2004年に株式会社ベンチャーウイスキーを創業し、福島県の「笹の川酒造」さんの支援の下、「Ichiro’s Malt カードシリーズ」として商品化し、世界的な評価を受けました。
をの後、2007年に念願の自社の蒸留所「秩父蒸留所」が完成し、現在では羽生蒸留所で作られた原酒と秩父蒸留所で作られた原酒をヴァッティング(原酒同士の掛け合わせはブレンドとは言わないそうです)した商品「イチローズモルト ダブルディスティラリーズ」として羽生蒸留所の想いは引き継がれているようです。
「秩父蒸留所」は、肥土社長が日本国内だけでなく世界の蒸留所を周りながら得てきた情報・知識をもとに作られた蒸留所で、至る所に肥土社長のこだわりが垣間見える蒸留所でした。
規模としては世界的に見てもかなり小さな蒸留所で、年間に生産できる原酒は9万リットルであり、これはスコットランドなどの大きな蒸留所であれば2~3日で生産できる量とのことです。
肥土社長は、生産量よりも質にこだわりを持ったウイスキー作りを考えているようで、少ない人数で丁寧に原酒を生産しているそうです。
今回はベンチャーウイスキーさんの「ブランドアンバサダー」である、笑顔が素敵な「吉川由美」さんに蒸留所の中を案内してもらいました。
吉川さんもウイスキーが大好きな女性で、もともと日本でバーテンダーをしていたそうなんですが、ウイスキーの魅力にはまり、スコットランドの蒸留所で働き、バーテンダーも経験し、日本に戻ってきて秩父蒸留所に勤務することになった方です。
ウイスキーを作る工程は、大まかに言って下記のような感じだそうです。
原料を粉砕する → 温水と混ぜて糖化させる → 麦汁を作る → 発酵させる → 蒸留 → 熟成
この工程を原料の段階から丁寧に説明していただき、ウイスキーにあまり詳しくない私でもウイスキーができるまでの工程を知ることができました。
途中で、素人ならではの質問もさせて頂きましたが、嫌な顔せずわかりやすいように説明してくれて、さすがだと思いました。
最後は贅沢にも蒸留したての「スピリッツ」や、さまざまな種類の「イチローズ モルト」を試飲させていただきました。
試飲とはいえ、多くの種類のウイスキーをストレートで飲むと、さすがに最後は酔いがまわって、体がポカポカしてました。
(たぶん、人生の中でこの先もこれだけの量の「イチローズ モルト」を飲むことはないと思うぐらい飲ませていただきました)
冒頭でも書きましたが、数年待ちというボトルもあるほど人気のある「イチローズ モルト」ですが、肥土社長が原酒をテイスティングをしながら熟成時期を見計らって、自信を持って商品化できるものだけ出荷するそうですので、質が高く流通量は限られる、まさしくこだわりを持った「逸品」ですね。
日本のモノづくりの素晴らしさを改めて感じた工場見学でした。
肥土社長、吉川さん 有難うございました。